存在の耐えられない軽さ

社会復帰のリハビリとして、社会との接点として、つらつらと書くつもりです。

book

【新訳】地下室の記録/ドストエフスキー(訳・亀山郁夫)

ドストエフスキー「地下室の記録」を読んだ。 はっきりいって、みじめたらしい、傲慢で偏屈な男の話だと思った。 そして、これこそわたし自身だ、とも思った。 訳の亀山郁夫さんがあとがきに書いているように、この男は「意識の病」に蝕まれていて、それこそ…

街場のメディア論/内田樹

この本は、当時筆者が在籍していた神戸女学院大学の講義を加筆・編集してまとめたものである。 神戸女学院大学と同じ市内に住んでいて、ここへ進学した友だちもいるのだけど、高校在学当時はまったく眼中にない大学だった。内田樹がここで教鞭をとっていると…

わが封殺せしリリシズム/大島渚

リリシズム(lyricism):抒情主義 大島渚というと、若い頃のふっくらとした姿よりも、後年の痩せて眼光が鋭く、野坂昭如と殴り合いの乱闘を繰り広げたとか、ある種暴力的なイメージが強い。 表題の本には、撮影所で生きた大島渚のみたり考えたことが集約さ…

リアルのゆくえ おたく/オタクたちはどう生きるか/大塚英志+東浩紀

「アンラッキーヤングメン」という漫画を読んで、衝撃を受けた。 山本直樹や岡崎京子、楳図かずお等々といったいわゆるサブカル系とよばれる漫画を愛読するようになったのも、もしかしたらこの漫画がきっかけだったかもしれない。 連合赤軍事件について興味…

「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」と叫ぶ人に訊きたい/森達也

なんとも挑戦的なタイトルである。 同じく表紙に記載された、「正義という共同幻想がもたらす本当の危機」とこれまた長い文章が気になる。 森達也さんは、オウム真理教を被写体とした「A」「A2」というドキュメンタリーがあまりに有名だが、近年は死刑制度に…

私たちはどこへ行こうとしているのか/小熊英二

「インド日記」という著作を読んだことが、小熊英二さんを知るきっかけだった。 社会学者と呼ばれる肩書きのイメージからほど遠い、親しみやすく読みやすい文章を書かれる方という印象で、ネットでご本人の写真をみて驚いたことを覚えている。 年齢よりも若…

評伝 演出家 土方与志/津上忠

土方与志という人を知っていますか? 1898年生まれ。祖父は土佐藩出身の伯爵、築地小劇場を拠点に新劇運動を起こした演出家。 これまで名前は存じていたけれど、その生涯、特に演劇との関わりについては知っていたようで、この本を読んではじめて知ることば…

街場の憂国論/内田樹

内田樹さんを知ったのはいつだったろうか、いまとなってはまったく思い出せないけれど、著作はほとんど読んでいないにも関わらず、ツイッターとブログだけは度々読んでいる。昨年は、演出者協会関西支部の主催した講座シリーズのひとつに登壇されたので、直…